第1回 「日本のイスラーモフォビア」
講師 塩尻筑波大学名誉教授

(令和元年10月9日(水)学士会館会議室 13時30分~15時)

塩尻講師の講義を協会会員約20名が聴講し、熱心な質問、懇談が行われた。
(講義要旨)

  1. 地域紛争や混乱を短絡的にイスラームの教義や戒律に結び付け、野蛮で劣悪な宗教
    文化とみている人がいる。イスラーモフォビアは日本人にも大きな影響を与えている
  2. イスラーム法の専門家と称する人にも多くの誤解や虚偽ともいえるほどの判断ミスがみられる。
  3. ジハードの解釈が大きな問題。クルアーンには、「あなた方に戦いを挑む者があれば、神の道のために戦え。だが侵略的であってはならない。本当に神は侵略者を愛さない」とされているが、定義づけは当初から難しかった。また、安易にジハード宣言する事態が生じてきたのも歴史的事実である。
  4. イスラーム法は厳格で保守的な印象を与えるが、法判断の最後の決定権は一般信徒にあるという点を保障していることを忘れてはならない。

               (文責 協会事務局)

 イスラームについての相互理解と尊重は、国際社会が抱える重要な課題となっています。
我が国には、極めて大切な中東のイスラームの国々と相互信頼に基づく友好関係の深化の努力が強く求められます。
塩尻筑波大学名誉教授は、穏やかな口調で話され、イスラームの基本理念になると毅然とした口調に変わりますが、離婚問題を例にイスラーム法が個人の自由裁量を認めていることなど、明快で分かり易く、示唆に富む有意義な講義でした。
次回(10月23日)、「テロと宗教」の講義と合わせ友好活動促進の糧にしていただければ幸いです。